楽天初代監督としての挑戦と組織づくりの重要性た。1年目は広岡監督だったのですが、広岡監督には野球をすごく教わりました。こんな細かい野球があるんだ。それはもう、相手の嫌がることをどんどんやるんです。野村さんより広岡さんのほうが細かい、野村さんは自分をアピールするのがうまい、広岡さんはそこは言わない、その違いではないかなと思います。矢島 れも皆さんすごい参考になりますよね。やはりできているところを1つでもうまく引き出すと、特に、人間やる気になっていくということですね。田尾氏 最近はやはり褒めて育てないと、特に最近の若い子はついてきてくれない。それを西武の代表はあの当時からされていました。矢島 うるさい代表が結構多いんです。田尾氏 やはり自分ができるので、どうしても厳しくなっていくというのはわかるのですが、気持ち良くやらせてあげるというのも必要です。西武で活躍されて、そのあと阪神に移られました。矢島 田尾氏 森監督の時に日本一にはなったのですが、森さんとうまくいかなくて。なぜかと言うと、清原が入ってきた年なんです。それでちょうど2月のキャンプの時に監督室に呼ばれ、僕先ほどお話いただいた、西武の代表の方のやり取り、こ実は、IT業界でも事業計画がうまくいかなかったらに相談をされたわけです。秋山のサードの守備をどう思うと言うので、僕はもう12球団ナンバーワンのサードだと思いますと言いました。話を聞いていると秋山をセンターに持ってきて、僕をファースト、清原をサードに使うという案があった。これについてどう思うかと僕に聞かれたので、聞かれたら僕は本音で必ず答えます。清原は高校のナンバーワン野手、スーパースターですけどまだプロ野球の経験はゼロです。彼の一番得意なポジションはファースト、ファーストでまずやらせて、その動きを見て、サードでもできると思ったら、その時に変えたらどうですか、最初から3つのポジションを冒険するのは、僕はあんまり良い案ではないと言いました。それからうまくいかない。聞かないでお前はファーストをしっかりやれと言ったら、僕は素直に「はい」と言います。聞くから言ってしまう。矢島 皆さん、部下に聞くときは、イエスと返ってくるかどうかをやはり考えないと。田尾氏 違うのも認めてあげてほしい。どうしても自分に賛同してほしいのですね。どう思うかと聞かないで、やってくれと言ってくれればいい。わかりましたと言える。そこからだんだん出番がなくなってきました。矢島 選手と監督、選手と代表、やはり色々難しいところがあるということがわかりました。田尾氏 面白いですよ。タイガースで印象的なのは田尾さんがさよならホーム矢島 ランを打ってくれる人だという意識がすごくありました。どれほど打ちましたか。田尾氏 さよならホームランは生涯で4本ですけど、その4本とも村山監督の時です。なぜ村山さんの時にさよならホームランを打てたかというと、村山さんとも合わなかった。まだ弱い頃だったので、やはり勝つための野球をしてもらいたい。村山監督は、外に向けて、育成期間なのだと、若いのを育てているのでちょっと皆さん我慢してくださいっていうようなことを言われていた。それは違う。1軍の監督ではなく、2軍の監督が言う言葉と思っていたので、なんでも言えと言われて、それを言ったら、それからは出番が減りました。2軍に落とされ、このままクビにするだろうと自分は思い、その時に村山監督の間には絶対ユニフォームは脱がないぞと思った。だから、必ず1軍に上がってやろうと。2軍でナンバーワンの数字を出そうと若い選手の先頭に立って、結果もずば抜けた結果を残しました。それでもあげないのかなと思っていたら、あげてくれた。そういう中で、あのさよならホームランが出ました。気持ちよかった。打った瞬間、一塁ベースの辺で、一瞬ですけどざまあみろと思いました。けれども、回っているうちに、全部雑念がなくなって野球は楽しいと。そこからその年3本さよならホームランを打って、次の年にもう1本出た。だから村山監督にはそういうエネルギーをいただいたと思っています。矢島 ある解説者でした。そこからちょうどセリーグ、パリーグ12球団という中で球団が1つ減った時、楽天の監督に田尾さんが就任されて、東北という場もあり、すごくみんな期待感があって、最初ものすごく面白かったですよね。田尾氏 でも、外から見ると楽しいですけど、引き受けるにあたっては、必ず100パーセント最下位になるチームです。もう5位になるわけがないチームで、戦力見たらこれはもう見えている。そこの監督を任されるということは、もう皆からやじられる、こいつは能力ないやつだと言われる。そういう覚悟でやらないとやれない。矢島 のですか。田尾氏 まずお断りしました。僕、今楽しい生活を送らせてもらっているので、地獄に落とすつもりですかと言いました。どういう風に今から仕打ちを受けるかわかりますかと。それでもやってほしいと言われて、それなのに年俸がまた安い。僕が稼いでいる金額と同じぐらい。監督はもっと仕事量としてごつい仕事だけど。矢島 田尾氏 うちの家内も私が選手を辞める時に、もうユニフォー退団されて、非常に分かりやすい解説をされる人気のこの辺りは三木谷さんとは最初どういう会話があったメンタルもありますしね。5Special Dialogue
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