CIO Lounge Magazine_2025winter
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2024年12月4日、CIOLoungeに大阪商工会議所経営情報センター古川佳和次長、野田幹稀課長をお招きし、情報セキュリティ分科会の尾内、四本が対談させていただきました。対談では大阪商工会議所が推進されている「サイバーセキュリティお助け隊サービス」(以下、「お助け隊サービス」)などの活動を通じて中小企業におけるサイバーセキュリティ対策の現状と課題、今後の展望について貴重なお話しを伺うことができました。中小企業はサイバー被害を認識できていない可能性がある尾内サイバーセキュリティ対策について、大阪商工会議所と本日はありがとうございます。まず、中小企業のしてどのような問題意識をお持ちなのかをお聞かせください。古川様 私たちが2017年に中小企業を対象にサイバー攻撃の実態について調査した結果、4分の1の企業が何らかのサイバー被害に遭っていると回答していました。しかし、実際には4分の3が被害に気付いていない可能性があります。つまり被害認識がないまま攻撃を受けている企業が多数存在しているのではないかと疑問を持ちました。中小企業は、セキュリティ対策にお金も人材も割けない現実があります。そのため被害に気付かず放置し続けます。これが大きな問題だと感じました。野田様 私が経営情報センターに来たのは2018年でセキュリティ知識がゼロでした。そんなるかを質問しますと、なんと25%の企て、47%は損害賠償を請求する、29%るリスクもある、これは中小企業にとっては大問題です。それを放置すれば、す。それまでIT分野の経験はなく、私が2019年、大企業を対象にアンケート調査を行いました。取引先である中小企業経由で攻撃を受けてい業が経験しているとの回答がありました。同じようなことが起こった場合、今後その取引先に対してどのような対応をとりますかという質問に対しは取引停止も辞さないとの回答でした。中小企業は被害者でありながら加害者となり、取引先から見放され事業継続そのものが危ういにもかかわらず、中小企業では対応できるリソースもありません。我々がセミナーで「対策を実施しましょう」と促しても、行動にまで移す企業はごく一部です。そこで私たちは、大阪商工会議所自身が「サービス提供者」となり、安価で即効性ある対策を提供する必要があると判断しました。これが「お助け隊サービス」スタートの直接の動機です。「お助け隊サービス」の経緯と狙い尾内 のような狙いで始まったのか詳しくお聞かせください。古川様 中小企業メインのセキュリティ強化を国として本腰を入れて取り組むように要望しました。経済産業省に対して中小企業の実情を情報提供していく中で、実態が明らかになっていきました。神戸大学、東京海上日動火災保険と大阪商工会議所で30社の中小企業を対象に実態調査を実施したところ、実は30社すべてが何らかの攻撃を受けていたと分かり、ニュースにもなりました。野田様 の要請は「中小企業向けに安価で簡便なパッケージを民間主導で策定してほしい」というものでした。しかし、実際にサービスを立ち上げようとすると困難な点が明らかになりました。中小企業向けのマーケットに参入しても「採算が合わない」ケースがありうるからです。そこで経済産業省、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)による実証実験が行われ、私たち大阪商工会議所は、N大阪商工会議所として「お助け隊サービス」がど2017年に、大阪商工会議所は経済産業省にこのような国への提案に対して、国から産業界へ10大阪商工会議所 CIO Lounge

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