今年は残念ながらITにまつわる障害が多く発生した年になりました。全銀システムの障害、ランサムによる決算遅延、ERP導入障害による商品出荷停止、セキュリティ対策ソフト障害によるシステム障害等々、過去には例のない大規模障害が発生いたしました。従来では金融が止まることが経済を止める最大のリスクでしたが、今やそれ以上にITおよび通信の障害が社会や経済に与える重要性が増大していると感じています。しかし、企業や社会においての認識はまだまだ甘いとは思いませんか。日本におけるSE不足が言われ始めて既に数年経過していますが、社会的にも企業においても対応が後手に回っていると感じています。ようやくIT技術を持っている人材への待遇の向上が一部の企業で始まっていますが、少子化対策と同様に十分に手が打てているとは思えないのは私だけでしょうか。例えば米国においてSEの数は約400万人と言われています。一方日本はその4分の1の100万人しかいないのです。さらにはITを活用する所謂ユーザー企業に所属するSEの割合は米国では70%、一方日本では30%と言われています。母数が4分の1で割合が70:30という事は、米国のエンタープライズSEは280万人に対し、日本企業のエンタープライズSEは30万人。数で言えば米国の約10%しか日本企業にはSEがいないというのが現状です。1日も早く対応しなければ、今後AIや量子等の新技術が展開され、レガシーシステムへの対応、DXの推進、データ分析に加え、AI活用等に向ける人材の数は全く不足してまいります。どうかIT関連の皆様はもっと声を大にしてこの課題を企業内や社会に向けていただきたいと感じています。今後とも、皆様と共にITやデジタルを活用し企業や社会が発展できるよう、今まで以上に貢献してまいりますので、引き続き皆様のご支援ならびにご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。 2 皆様こんにちは!CIO Lounge理事長の矢島孝應です。 理事長 矢島 孝應
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