CIO LoungeMAGAZINE_2024autumn
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企業DX分科会ではデロイトトーマツコンサルティングと共同で、中小企業がDXを進める際に役立つフレームワークの構築を進めてきましたが、6月末に「DX推進フレームワーク」としてその第1版を発行しました。中小企業の多くはDXの重要性は理解しながらも、基幹システムの老朽化更新で手いっぱいになっていたり、DX推進人材の不足に直面したりしています。分科会では、昨年実施したDX推進ワークショップの経験をもとに、中小企業が中長期的なDXビジョンを明確化し、目標達成に向けた最適なDX推進計画を策定するための手法・考え方について議論を重ねました。本フレームワークには、DX推進計画をWhy/What/Howの流れで策定する方法や、DX推進の戦略的パターン、よくあるDX推進上の課題や、DXの推進状況のセルフチェックリストなど、わかりやすい図表やすぐに使えるテンプレートがふんだんに盛り込まれており、A4サイズで約30ページの内容となっています。基幹システム更新後のDXの道筋に悩んでいるIT責任者にも、一定程度DXを進めてきたがこのままでいいのか悩んでいるCIOにも、きっと役立つものと確信しています。企業DX分科会では、本フレームワークについてのセミナーの開催も計画しています。CIOLoungeが中小企業のDX推進をサポートするためにこのフレームワークを活用できるよう更なる改善を目指してまいります。8月2日(金)第1回ワークショップを開催しました。(参加者:ユーザー企業12社16名、サポート会員7社11名、正会員等15名、計42名)今回のワークショップでは、ローコードやノーコード、RPA導入が進み、さらに市民開発や部門主体のデジタル化が現場で行われる現状を取り上げ、現場主体のデジタル化の現状と課題について活発な意見交換を行いました。IT部門に所属している参加者が多い中、①現場開発の盛り上げ方、②現場開発におけるスキルセットや育成のサポート、③ガバナンスの利かせ方、④開発の属人化・野良化の防ぎ方、⑤インフラ(サーバー、ネットワーク、セキュリティ、クラウド)の準備、⑥市民開発・部門開発(ベンダー発注で開発)の運用・管理等をテーマに管理側の視点で話し合われました。まず分科会メンバーによるパネルディスカッションを開催し、前記①〜⑥を中心に各社の管理体制や運用について議論されました。パネラーからも現場主体の開発への対策を取りつつも、手放しで応援するのではなく、開発後の運用、特にシステムが野良になっても、影響が最小限に収まるよう開発スコープを絞るなど、強めのガバナンスにより運用しているとの意見が多く出されました。その後、ユーザー企業様、サポート企業様にファシリテーターを加えた6名4グループでディスカッションを行いました。現場開発の推進を手探りで行っている企業も多く、運用は「推進派・見守り派・見離し派」に大別されるものの、業務の重要性に鑑み、組み合わせを工夫しながら運用しているところが多かったようです。今回のワークショップでは、各社の現場開発に対する運用はまだ十分に確立されているとはいえず、迷いながらの運用であることも判りました。今後は現場開発に対するIT部門としての支援やガバナンスなどの方向性、フレームワークについて議論を深めていくことを確認しました。SubcommitteeSubcommittee企業DX分科会企業DXの方向性を考え、実効性の高いDXフレームワークを確立します現場主体DX推進分科会第1回ワークショップ「現場主体デジタル化の 推進について」開催 9「DX推進フレームワーク」第1.0版〈抜粋〉(出典:CIO Lounge作成)当日の出席者パネルディスカッション活動紹介

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