CIO LoungeMAGAZINE_2023autumn
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明けの切り替わり、夜勤の終わりぐらいはやはり待機電力が多いのですが、これが3か月でこうなりました。タイの人は本当に真面目にスイッチを切ってくれます。1月中旬から電力消費量を減らす活動をやったんですが、正味率が55%から87%になっています。その結果、電力消費量は42%低減しました。わずか3か月で凄い削減です。1か月ごとに集計すると、正味率は29%から80%になり、電力消費量は65%削減しました。切るだけですよ。20ライン以上ありますが凄まじい成果です。一方で、経営者自身が判断しなければいけない課題もあります。例えば1時間あたりの付加価値による撤退の判断とか、値上げ要請の可否など、そういうのは現場の話ではなくて、やはり経営者が判断しなければなりません。問題を明確にして、必要なデータを取り、皆で考え、カイゼンに結び付けていく。経営者はそれらのデータに基づいて経営の舵を取っていくのだと思っています。矢島 さて木村社長、本日は細かいところまでいろいろ聞かせていただきました。次の課題への挑戦なども含め、今後やりたいことは何でしょうか。木村社長 とだと思っています。矢島 さにそれです。私たちは無償で相談を受けていますが、テクノロジーが苦手と思っている人や、何を相談したらいいかわからない人でも相談してくださいと言っています。そういうところに、木村社長のやってこられた取り組みやノウハウを展開できたら非常にうれしいと思います。木村社長のほうで、困っている企業や経営者の方に何かお伝えしたいことはありますか。木村社長 で、まずは見に来ていただければと思います。現在月間40〜50名の方が見学されています。三菱重工さんは20人ぐらい来られました。この間、ケンブリッジからも20人ぐらい来られました。矢島 晴らしい形になってきました。もちろん現場の人たちがそういう形で動き出したというのも凄いパワーだと思いますが、やはそれは当社のノウハウをもっと広く展開していくこ私たちのCIOLoungeが目指していることも、まそうですね。私のところで工場見学をしていますの最後にもう一つお伺いします、旭鉄工もiSTCも素り木村社長という存在が大きいと思います。将来の話ですが、木村社長が退任されて、会社がまたもとに戻ってしまうのは困りますよね。そこに向けて、何か考えや対策があればお聞かせください。木村社長 残念ながらあまりありません。ただ可能な限り、従業員が自主的にやれるようにはしているつもりです。しかしそれで十分かと言われると難しいところです。矢島 木村社長のそういう経営ノウハウや、伝承していくべきものを考えていかれたらいいのではないかと、勝手ながら思ってしまいます。木村社長 実はこの本は2018年に書いたものですが、今2冊目を書いています。せっかくの成果をできるだけ広く伝えたいと思って書いています。また他の自動車のOEMメーカーの研修をうちでやる話もでています。可能な限り広く展開していければと考えています。矢島 本日は、Iotを低コストで立ち上げ、現場の方と一緒になってDXを進め、ESG経営を実践されている木村社長の貴重なお話をお聞きすることができました。今後、木村社長と私たちCIOLoungeが連携することで、日本の企業、特に中小企業の活性化に貢献していけるのではないかと思いました。本日は短い時間でしたが、貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。木村社長 こちらこそありがとうございました。-7「システム」×「現場」×「改善力」から生まれたオンリーワン企業へ『Small Factory 4.0』Special Dialogue

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