https//www3nhkor.jp/tokai-木村社長 業績に連動して賞与でも還元しています。稼がないと払えないので、稼いだ分は返していると思います。近隣と比べても、給与水準は一番高いと思います。他にもいろいろしていますが、特に力を入れているのがモチベーションアップと方針の徹底です。チャットツールにこういうカイゼンをしましたという写真が上がってますが、私はこういう投稿に、〝いいね〟と一所懸命コメントします。あとはカイゼン報告です。だいたい3〜6か月ぐらいで一つのカイゼンが終わりますが、そうすると社長見に来てくださいと言ってきます。現場で説明を受けた際に、絶対文句を言いません。それより「これ面白いね、僕は好きだな」と言ったほうがずっといい、その方が楽しくやれます。そしてまた皆で写真を撮って、スラックに上げます。「社長にこういう報告をしました。今後も0.01秒にこだわっていきます」とか課長が書くと、社長が0.01秒にこだわっているのだなということで、方針の徹底にも繋がります。モチベーションアップと方針徹底の相乗効果です。地道ですけど効果は大きいと思います。これは今日ですが、すでにこれだけ「いいね」を付けています。私が結構反応するのと、私自身もどうでもいい話を投稿したりしています。例えばリモートワークが多かったとき、ある女性は「マウスを忘れたのでキャットで対応しました」なんて投稿しています(笑)。矢島 思いますが、自分がやっていることをちゃんと見てくれていると思うとモチベーションが上がりますね。木村社長 経済面でいうと、賃上げはしっかりやっていますし、誰でもそうだとしかも風土改革の一環でもあります。矢島 さて先ほどもお話しいただいたiSTC設立のきっかけは何ですか。木村社長 2016年9月に設立しましたが、旭鉄工は受け継いだ会社ですので、自分の会社という意識があまりなく、やはり自分の会社を創りたかったというのが一番の理由です。また内容も全く違うので、会社として分けたほうがいいだろうと考えました。給与体系も変えたかったですね。矢島 優秀な人材の確保ですね。木村社長 その通りです。矢島 さて今話題になっている〝ChatGPT〟の活用についてお伺いしたいのですが。「CO₂排出量は電力消費と稼働状況で見える化して削減」木村社長 当社では、〝横展アイテムリスト〟というのを作っていますが、カイゼンはこれを見ながらやります。そうするとカイゼンも早いし人材育成にもなります。これは敢えて印刷して貼り出します。この前で毎日ミーティングしてPDCAを回すのです。矢島 このリストはノウハウの集約で、全員が見られるということですね。木村社長 そうです。私は、この横展アイテムリストをChatGPTにすべて読み込ませました。そうすると〝カイゼン〟がさらに早くなりました。私がここへ来た2013年当時は、カイゼンプロジェクトも年数件程度で、IoTのシステムを開発したのもそのタイミングでした。それ以降どんどん〝カイゼン〟が増えて、今月だけでも10件あります。トヨタの場合、カイゼン事例やノウハウは基本的には紙ベースで個人持ちなんですね。これはだめだと思い、2014年にエクセルベースで横展アイテムリストを作り、停止の減らし方やサイクルタイムの短縮方法、最近は電力の削減方法などさまざまなノウハウを入れています。カイゼンを始めるときは、まずこれを見て、使えそうなものをピックアップし、それから始めるという感じです。それを見ると、こういうカイゼンがやれるのだと、未経験の人でもよくわかります。しかし最近、そのような事例が溜まりすぎて、物理的に探すのが困難になっていました。そこへChatGPTが出てきたので早速使ってみました。自然言語でリストの内容を入れると自然言語で引っ張り出せます。例えば「電力削減の事例について教えて」と入れるとサッと出てきます。本当に便利です。これがスラックでも動いています。例えば、アプリを起動すると「こんにちは」と出てくるので、何か3つ教えてと書いたら、ちゃんと3つ出てきます。担当者や効果などがサッと出てきます。さらに「懸念点を教えて」と入れると、「刃物の寿命が下がるかもしれません」というのがパッと出てくるのです。凄いですよ。これはNHKでも紹介されました。矢島 まれていますが。木村社長 だめですね。まずは問題自体を見る必要があります。CO₂排出量に関する問題はものすごく多く、実は70%ぐらいが無駄なCO₂です。それを見える化しようと思うと、電力消費と稼働状況の両方を見なければなりません。無駄が見えれば、結構削減できるというのが、私たちのこれまでの知見です。稼働状況は、今200ラインぐらい見える化しています。加えて中部電力から供給されている電力のデータを10分ごとに見える化しています。実はこれらのデータをマネジメントに使っています。これは当社の独自技術ですが、製品1個あたりあるいは製造ラインごとのデータは、実測ではなく計算でやっています。これでムダなCO₂排出を削減しています。工場マネジメントに関しては、実例をいいますと、工場の1時間木村社長は、カーボンニュートラルにも積極的に取り組カーボンニュートラルについては、数値だけを見ては:...l5news/20230525/3000029311htmChatGPTでカイゼンが民主化されるSpecial Dialogue
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