2024年11月22日開催 SCM分科会イベント
【プロセス改革・標準化とシステム導入を如何に推進するか】
当分科会主催による3回目のSCMワークショップを11月22日(金)に開催致しました。参加者は、正会員16名、サポート会員14名、主催者CIOLounge19名の合計49名でした。
今回は「プロセス改革・標準化とシステム導入を如何に推進するか」をテーマとして、2つの事例をご紹介した後、その内容について、少人数のテーブルで議論してもらい、パネルディスカッション形式で質疑応答を行うという新しい形式で実施しました。
事例発表① 京セラ全社のサプライチェーン改革を支える
『あるべきプロセス策定とシステム導入の取組』
発表者:京セラコミュニケーションシステム株式会社 井本滋久氏
京セラ社ではアメーバ経営で成果をあげてこられましたが、システムは個別最適になっており、将来に潜む大きな課題に手を打てていないという状況でした。そこで「スマートマニュファクチュアリングの実現」に向けて、京セラグループ共通生産計画システムの導入を推進されております。
具体的には次のような施策を実施しておられます。
- 価値観共有会議を実施し、目指すべき姿を経営トップと共に合意する
- 標準テンプレートによって京セラ共通機能を定義する
事例発表②
『顧客起点の生販連結需給統合マネジメントプロセスの構築』
発表者:オムロン株式会社 西岡康人氏
コロナ禍以降、急激な需要変動が発生する中で、現状のSCMプロセスの限界が顕在化してきているとの認識のもとに、顧客起点でプロセスと情報を繋いだSCMシステムの構築により、急激かつ多様な需要変化に対する安定供給を実現し、顧客の事業拡大に貢献することを目指してSCPプロセスの再構築に取組まれました。 ビジネスプロセス改革においては、まずは商品、拠点を絞って取組まれながら、グローバルテンプレートによって、将来的にはグローバル展開を予定しておられます。
グループディスカッション及びパネルディスカッション
グループディスカッションにおいては、参加者の方々からSCMシステムの自社の現状をお聞きすると共に、事例発表に対する感想、質問事項などを共有しました。
パネルディスカッションでは、各グループで提起された質問を整理して、下記のポイントに絞って、発表頂いた2名の方より更に詳しくご説明頂きました。
- 標準化(Fit to Standard)は難しいが、どのように克服されたのか?
- 価値観共有は具体的にどのように進められたのか?
- プロジェクト推進で一番苦労されたのは何か?
- どうやってモチベーションを上げたか?
纏めとSCM分科会活動報告
2社の取組みにおける特徴は以下の通りです。
<京セラ>
システム導入前に価値観共有会議を実施する
全員が一体となれるKPI・KGIを設定する
経営トップの想い・現場が抱える課題・外部ベンチマーク 三位一体の取組みが重要
<オムロン>
ツールを使いこなすビジネスプロセスを含めた「変革」が必要
各部門が信頼し合い、同じ方向を向くことが重要
ここで、SCMを成功させるために大切な5つのポイントをご紹介しました。
更に、SCM分科会としては、今後拡大検討会や勉強会を通じて更にSCMネットワークを強化すると共に、サポート会員との活動を強化していく方向性で取組んでいくことを確認させて頂きました。
参加者の声
事例発表に関しては、参加者の方々から下記のようなご意見を頂きました。
「我々が課題としている部分について、本当に参考になるものでした。」
「計画系の導入スコープを区切って進めていく事は当社も同じ。若干不安を感じていましたが、この方向で行こうと確信が持てました。」
また、グループディスカッションでは、以下のようなコメントを頂きました。
「意見交換のしやすい形式で良い情報交換、意見交換ができました。」
「現在の課題に対して多角的なご意見をいただき、有意義な時間を過ごすことができました。」
今回のワークショップもSCM課題に対する気づきを得る有意義な場となったと思います。